工場の制御エンジニアが地元の行事サイトを自作——地方DX推進への挑戦
工場自動化の現場で働く石原翔一さん。AIコーディングで業務を自動化し、地元行事のWebサイト提供や地方DXへ活動を広げるまでを伺いました。

今回は、工場自動化のエンジニアとして働きながら、地元コミュニティへのAI普及活動をしている石原翔一さんにお話を伺いました。
石原翔一さんプロフィール
工場自動化ラインのソフト設計エンジニアとして勤務。2024年12月にcode4biz AI Codingを受講開始。受講後は地元の行事向けにウェブサイトを作成・提供するなど、AIスキルを地域に還元。現在は県のデジタル推進活動への参加も視野に入れている。
これまでのキャリア
ーーまず、これまでのキャリアについて教えてください。
石原:普段は工場で動いている自動化ラインのソフト設計をしています。食品工場や自動車の生産ラインをイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、そういった機械の制御を担当しています。
そこでは「ラダー」と呼ばれる、一般的にはあまりなじみのないプログラミング言語を使っています。図形的な記述で機械を制御するもので、Webアプリ開発などとはまったく違う領域ですね。業界全体として高齢化が進んでいて、若手が少ない状況です。今は父の会社で働いているので、個人事業主のような働き方をしています。
AIコーディングを学び始めたきっかけ
ーーAIコーディングを学ぼうと思ったきっかけは何でしたか?
石原:仕事で機械とパソコンのデータ通信をやらないといけなくて。最近、製品ができたタイミングでデータを紐付けるっていう話が出てきたんですけど、どうやって実現しようかなと。C++やC#でもできるのはわかってたんですが、なんか面白くないなと思って。
そこでPythonに興味を持ち始めて、その延長でYouTube経由でAIコーディングを知りました。セミナーに参加してみたら、「AIでここまでできるんだ」と素直に驚きました。それが純粋に面白くて、受講を決めた一番の理由ですね。
ーー受講を決めた理由をもう少し詳しく聞かせてください。
石原:正直、受講料と将来のスキルアップを天秤にかけました。でも、「これは回収できそうだな」と判断できました。AIの成長性や、自分のスキルが上がることで得られるものを考えると、十分に価値があると思えたんです。
一応エンジニアなので、わからないことにぶつかったときの調べ方とか、解決までのプロセスは自分の中にありました。だから「やればどうにかなる」という自信はあったのですが、AIコーディングの方が圧倒的に面白そうだったので、迷わず飛び込みました。
受講後の変化と実践
ーー受講して約1年が経ちましたがどんな変化がありましたか?
石原:一番大きいのは、「これ作れそうだな」とすぐイメージできるようになったことです。以前は「難しそう」「学ばなきゃ」「そもそもできるのか」という思考で止まっていたのが、今は「AIにやらせてみよう」という新しい引き出しができました。
これは今までになかった引き出しなので、すごく大きかったですね。何か課題があったときに、「ちょっとAIにやらせてみよう」という選択肢が自然と出てくるようになりました。
ーー具体的に何か作ったりされているんですね。
石原:ウェブサイトが簡単に作れるようになったので、地元の地区の行事向けにウェブサイトを作って提供しました。「ここ困ってるだろうな」と思うところがあったら、いったん提案してみるんです。
地元のコミュニティにはこういうことができる人がなかなかいないんですよ。自治体とか地域のコミュニティって、ホームページをどうやって作るかみたいな話になると、10年前くらいの感覚で止まっていることが多くて、そこにAIコーディングでサッと作って持っていくと、すごく喜ばれました。
ーー会社の業務でも何か効率化されましたか?
石原:会社では、工数のかかる転記作業を自分でツールを作って自動化しました。以前なら「また手作業でやるか、半日後にはできるかな」と思っていたような作業も、今は自分でツールを作ってそれに任せるという選択ができるようになりました。
ちょっとずつですが、そういった非効率的な作業を自分でツール作って改善している感じです。
code4biz AI Codingの魅力
ーー講座の中で印象に残っていることはありますか?
石原:まず、運営されている今西さんのレスポンスがすごく早かったです。Slackで発信するとすぐ反応があるので、「すごい見ていただいてる」と感じられて、こちらも発信しやすかったです。お忙しいときでも「後で見ます」と送ってくださるので、それだけでも嬉しかったですね。
内容としては、Deep Seekを使ったブログ執筆生成ツールの演習が印象に残っています。「AIすげえ〜」と素直に思いました。
ーー技術面で特に成長を感じたところはありますか?
石原:Vercelでデプロイしたときに、ハードルを1個超えられたと感じました。デプロイって、作ったアプリをインターネット上に公開する作業のことなのですが、それをやると自分のスマホからでも操作できるようになる。しかもこんな簡単にできるんだと驚きました。
あと、ログイン機能の実装がこんなに簡単にできるのかとびっくりしました。ログインって結構面倒くさいイメージがあったのですが、実際にやってみたらあっさりできて。そこはちょっと驚きましたね。
今後の展望とAIコーディングが向いている人
ーー今後のキャリアについて教えてください。
石原:今の仕事はそのまま続けながら、AIを使った活動を第二の柱として確立したいと思っています。実は最近、県庁の方とたまたま会う機会があって、今やっていることを話したら、県主催のデジタル推進人材育成プログラムを紹介してもらいました。
2026年に受講してみようかなと思っています。そこからまたつながりができれば、地域での活動の幅が広がりそうです。
ーー地方でAIを普及させたいという思いがあるのですか?
石原:はい、「AIは地方の人こそ使わないとダメじゃないかな」と自分で使っていて思うんです。地方は単純に人が少ないので、いろんなことをしないといけない人が多い。そういうところにAIを届けられたら、すごく価値があると思うんです。
それに中小企業は大手と違ってセキュリティの制約も比較的少ないので、改善の余地が大きい。そういうところに何か普及できるように動けたら、すごく楽しいだろうなと。誰かの役に立てるのが好きなので、そこはモチベーションになりますね。
ーー最後に、どんな人にAIコーディングは向いていると思いますか?
石原:まず、プログラミングで挫折したことがある人はいいと思います。AIがエラーの解決もやってくれるので、質問の仕方を工夫すれば、以前つまずいていた壁を越えやすくなると思います。
あとは、めんどくさがりな人にも向いていると思います。僕も結構めんどくさがりで、「なんでこんなことやらないといけないんだ」と思うことがあったのですが、AIコーディングでそこを改善できる可能性がある。単純作業をAIが肩代わりしてくれるので、考えることに自分の力を使えるようになります。それはやっぱり、めんどくさがりな人にこそ合っていると思いますね。